再生医療等提供計画情報の詳細情報です。
第三種 | ||
令和2年3月16日 | ||
令和3年12月7日 | ||
令和3年11月30日 | ||
高機能足場素材と3Dプリンタを用いた人工骨および自己骨髄液による頭蓋顎顔面領域の骨欠損治療 | ||
3D人工骨と自己骨髄液を用いた頭蓋顎顔面領域の骨欠損治療 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
瀬戸 泰之 | ||
3Dプリンタにより造形した人工骨再生材を、自己骨髄液と組み合わせて顎顔面領域の骨欠損・骨低形成疾患患者に移植することで、その安全性および有効性を確認すること | ||
1 | ||
頭蓋顎顔面領域における骨欠損、骨低形成 | ||
募集中断 | ||
東京大学認定再生医療等専門委員会 | ||
NA8150016 |
令和3年11月30日 |
令和3年11月30日 | |||
jRCTc030190247 | |||
東京大学医学部附属病院 | |||
東京都文京区本郷七丁目3番1号 | |||
瀬戸 泰之 | Seto Yasuyuki |
高機能足場素材と3Dプリンタを用いた人工骨および自己骨髄液による頭蓋顎顔面領域の骨欠損治療 | Treatment of bone defects in the craniofacial region using an artificial bone fabricated with highly functional scaffold materials and a 3-dimensional printer, and autologous bone marrow fluid.( Treatment of bone defects using a 3D-printed artificial bone and bone marrow fluid. ) | ||
3D人工骨と自己骨髄液を用いた頭蓋顎顔面領域の骨欠損治療 | Treatment of bone defects in the craniofacial region using a 3D artificial bone and autologous bone marrow fluid.( Treatment of bone defects using a 3D artificial bone and bone marrow fluid. ) | ||
第三種 | |||
人の胚性幹細胞等、遺伝子を導入した細胞、動物細胞、投与を受ける者以外の人の細胞を使用しないため、第一種再生医療等には該当しないと判断した。 自己骨髄液を採取し、培養などを加えずに自己の骨へと移植するため相同利用に該当し、第三種再生医療等技術 であると判断した。 |
3Dプリンタにより造形した人工骨再生材を、自己骨髄液と組み合わせて顎顔面領域の骨欠損・骨低形成疾患患者に移植することで、その安全性および有効性を確認すること | |||
1 | |||
実施計画の公表日 | |||
2024年03月31日 | |||
3 | |||
介入研究 | Interventional | ||
単一群 | single arm study | ||
非盲検 | open(masking not used) | ||
非対照 | uncontrolled control | ||
単群比較 | single assignment | ||
治療 | treatment purpose | ||
以下の基準を全てみたす患者を対象とする。 ①頭蓋顎顔面領域(非荷重部)に骨欠損、骨低形成を有する患者のうち、同意取得以前の通常診療時(1年以内)に得られたレントゲンあるいはCT画像から、おおむね体積10 mL以下の骨移植を必要と判断される患者 ②研究計画書に定められた観察・検査スケジュールに従うことができる患者 ③20歳以上の患者(同意取得時) ④本人が臨床研究の内容を理解し書面によるインフォームドコンセントを取得できる患者 |
A patient who meets all the criteria described below is included in the research. 1. A patient with defect or dysplasia of craniofacial bone (non-weight bearing site), who needs transplantation of bone less than about 10 mL (judged by X-ray or CT-scanning taken at a normal medical examination within 1 year before the time of obtaining informed consent). 2. A patient who can follow the schedule specified in the protocol. 3. A patient of 20 years or more at the time of obtaining informed consent. 4. A patient who can understand the contents of the research and give a written informed consent. |
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以下のいずれかに抵触する患者は本研究に組み入れないこととする。 ①米国麻酔学会による術前患者状態評価(ASA physical status)3度あるいはそれより重症の患者 ②悪性新生物を有する、あるいはその可能性があると判断された患者 ③コントロール不良な糖尿病の患者 ④敗血症の可能性があると判断された患者 ⑤移植部および骨髄採取部皮膚に再発の恐れのある感染症を有する患者 ⑥移植部位に、術前1年以内に外科的治療を行ったもしくは行う予定のある患者 ⑦骨髄に線維化、低形成、造血障害などの異常を持つ患者 ⑧妊娠又は妊娠している可能性のある女性患者及び授乳中の女性患者ならびにAMED-Bone+BM移植後6ヶ月までの間適切に避妊を行うことに同意できない女性患者 ⑨本人又は2親等までの血縁にリウマチ性関節炎、乾癬関節炎、全身性又は円板状エリテマトーデス、皮膚筋炎、多発性筋炎、慢性甲状腺炎、バセドウ病、多発性動脈炎、強皮症、潰瘍性大腸炎、クローン病、シェーグレン症候群、ライター症候群、混合結合組織病、再発性多発軟骨炎等の自己免疫疾患を有するか、あるいは本人又は2親等までの血縁にその既往歴のある患者 ⑩アナフィラキシー反応の既往歴を持つ患者 ⑪コラーゲン製剤に過敏症あるいはアレルギーの既往のある患者及びその恐れを有する患者 ⑫免疫抑制剤を投与中の患者 ⑬抗凝固剤を使用しており、術中および術後1週間の抗凝固能に影響を与えないような休薬ができない患者 ⑭同意取得日前90日以内に他の治験又は臨床研究に参加していた患者 ⑮調査票に的確に自記できないような精神疾患を有する患者 ⑯その他、研究責任医師又は研究分担医師が本研究の対象として不適当と判断した患者 |
A patient who meets any of the criteria described below is excluded from the research. 1. A patient who is classified as III or more in ASA physical status classification. 2. A patient who has malignancy, or possibility of malignancy. 3. A patient who has ill-controlled diabetes mellitus. 4. A patient who has possibility of sepsis. 5. A patient who has infection with possibility of recurrence around the site of transplantation or collection of bone marrow fluid. 6. A patient who underwent surgery within 1 year at the site of the transplantation before transplantation of AMED-Bone+BM, or who is going to receive surgery at the site of the transplantation. 7. A patient who has diseases in bone marrow such as fibrosis, dysplasia or hematopoietic disorder. 8. A female patient who is pregnant, has possibility of pregnancy, is breast-feeding, or disagrees with contraception until 6 months after transplantation of AMED-Bone+BM. 9. A patient who, or whose relatives within the second degree, have present or past history of autoimmune diseases such as rheumatoid arthritis, psoriatic arthropathy, systemic or discoid lupus erythematosus, dermatomyositis, polymyositis, chronic thyroiditis, Graves' disease, polyarteritis, scleroderma, ulcerous colitis, Crohn's disease, Sjoegren syndrome, Reiter's syndrome, mixed connective-tissue disease, or relapsing polychondritis. 10. A patient with the history of anaphylaxis. 11. A patient with the history of hypersensitivity or allergy to collagen products, or possibility of them. 12. A patient who is receiving immunosuppressive agents. 13. A patient who is taking anti-coagulant agents and not able to withdraw them during surgery and 1 week after surgery not to affect coagulability. 14. A patient who has been enrolled in other clinical trials or clinical researches within 90 days before the time of obtaining informed consent. 15. A patient with mental disorders who cannot fill in the questionnaire adequately. 16. A patient whom the principal investigator or sub-investigators consider inadequate to enroll in this research by other reasons. |
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20歳 以上 | 20age old over | ||
上限なし | No limit | ||
男性・女性 | Both | ||
対象者ごとの中止基準 (1)AMED-Bone+BM移植前に中止となる場合 1)有害事象などの医療上の理由から、AMED-Bone+BM移植が困難な場合 2)対象者から研究参加の辞退の申し出や同意の撤回があった場合 3)対象者が「選択基準」から逸脱し、6ヶ月以内に回復の見込みがない場合 4)規定どおりのAMED-Boneが出来ない場合 (2)AMED-Bone+BMを移植した後に中止となる場合 1)有害事象などの医療上の理由から、研究継続が困難な場合 2)対象者から、研究継続の辞退の申し入れがあった場合 臨床研究全体の中止基準 研究責任医師は次の事例があった場合、研究実施継続の可否を検討する。 1)重篤有害事象等により研究継続が不可能と判断した場合。 2)AMED-Bone+BMの品質、有効性および安全性に関する事項、その他、研究を適正に行うために重要な情報を知った場合。 3)対象者の組入れが困難で予定症例を達成することが困難であると判断された場合。 4)認定再生医療等委員会の意見として研究計画書等に対する修正の指示があり、これを受け入れることが困難な場合。 5)認定再生医療等委員会が中止の判断をした場合。 6)臨床研究法、施行規則又は研究計画書に重大な又は継続的な違反が生じた場合。 なお、本臨床研究を中止する場合は、中止の日から10日以内に、その旨を認定再生医療等委員会に通知するとともに、地方厚生局にも報告する。 |
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頭蓋顎顔面領域における骨欠損、骨低形成 | Bone defect and bone dysplasia in craniofacial region | ||
有 | |||
手術室にて全身麻酔下に、皮膚、皮下を切開し、骨欠損部あるいは骨低形成部を露出し、骨膜を剥離する。AMED-Bone 1個を骨欠損部あるいは骨低形成部の形状に適合するように設置する。移植時には、直前に腸骨稜などから採取した患者骨髄液を注射器から滴下してAMED-Boneに浸透させる。適宜チタンメッシュプレートあるいは縫合糸などによる固定を併用する | In the operation room, the site of bone defect or bone dysplasia is exposed by incising the skin and the subcutaneous tissue. Periosteum is detached. One piece of AMED-Bone is placed on the site. At the time of transplantation, bone marrow fluid collected just before transplantation is infiltrated into AMED-Bone by being dropped from a syringe. Titan mesh plates or suturing is also used for fixation when needed. | ||
安全性:有害事象の発現と内容 | Safety: adverse effects | ||
有効性 1) 頭蓋顎顔面部CTスキャンによる移植部の骨形成評価 (移植後1か月、2か月、3か月、6か月、1年、2年の骨欠損部CT値-移植前のCT値) 2) 頭蓋顎顔面部レントゲンによる移植部の骨形成評価 (移植後1か月、2か月、3か月、6か月、1年、2年の画像と移植前の画像の比較による定性的評価) 3) DAS59による顔面の整容的満足度の変化量 (移植後3か月、6か月、1年、2年後のスコア-移植前のスコア) 4) SDSによる抑うつ性の変化量、身体・心理状態に関するQOL (移植後3か月、6か月、1年、2年後のスコア-移植前のスコア) |
Efficacy 1)Evaluation for osteogenesis in the transplantation site by CT-scanning (Differences in CT values of before and after transplantation (1, 2, 3, 6 months and 1 and 2 years)) 2) Evaluation for osteogenesis in the transplantation site by X-ray (Qualitative evaluation comparing the images before and after transplantation (1, 2, 3, 6 months and 1 and 2 years)) 3) Evaluation of satisfaction with esthetic outcomes by DAS59 (Differences in the scores of before and after transplantation (3 and 6 months, and 1 and 2 years)) 4) Evaluation of depressiveness and QOL in physical and mental status by SDS (Differences in the scores of before and after transplantation (3 and 6 months, and 1 and 2 years)) |
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単施設非盲検非対照研究とする。実施可能性と安全性を主に評価するため単群試験で実施する。 研究責任医師および研究分担医師は同意取得の後、スクリーニング検査を実施し、選択基準を満たし除外基準に抵触しないことを確認し、症例登録を行う。 登録された対象者において、東京大学医学部附属病院において骨欠損あるいは骨低形成部を含むCTスキャンを行う。得られた患者CTデータを基に株式会社JMCおよび富士フイルム株式会社にて造形用データを作成、富士フイルム株式会社にて、原材料(粒子、インク等)を作製し、これらを用いて、シーメット株式会社でAMED-Boneを作製し、東京大学医学部附属病院に輸送される。 対象者に対して、全身麻酔下に骨髄液を採取し、骨欠損あるいは骨低形成部を露出して骨膜を剥離、AMED-Boneに骨髄液を担持させて移植する。必要に応じてチタンメッシュプレートや縫合糸を用いて固定する。 別添のとおり |
医師 | |||||
星 和人 | Hoshi Kazuto | ||||
30344451 | |||||
東京大学医学部附属病院 | The University of Tokyo Hospital | ||||
口腔顎顔面外科・矯正歯科 | |||||
113-8655 | |||||
東京都文京区本郷7-3-1 | 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo | ||||
03-3815-5411 | |||||
pochi-tky@umin.net | |||||
自施設 | |||||
救急部に救急担当医が常設しており、吸入用酸素、人工呼吸器、心電図、除細動器、その他必要な機器、薬剤を常備している。 |
疋田 温彦 | Hikita Atsuhiko | ||||
東京大学医学部附属病院 | The University of Tokyo Hospital | ||||
ティッシュ・エンジニアリング部 | |||||
113-8655 | |||||
東京都文京区本郷7-3-1 | 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo | ||||
03-5800-9891 | |||||
03-5800-9891 | |||||
ahikita-tky@umin.ac.jp |
医師 | ||
星 和人 | ||
30344451 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
口腔顎顔面外科・矯正歯科 |
歯科医師 | ||
西條 英人 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
口腔顎顔面外科・矯正歯科 |
歯科医師 | ||
末永 英之 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
口腔顎顔面外科・矯正歯科 |
医師 | ||
疋田 温彦 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
ティッシュ・エンジニアリング部 |
東京大学医学部附属病院 | ||
浅輪 幸世 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
ティッシュ・エンジニアリング部 |
東京大学医学部附属病院 | ||
石橋 牧子 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
口腔顎顔面外科・矯正歯科 |
東京大学医学部附属病院 | ||
浅輪 幸世 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
ティッシュ・エンジニアリング部 |
無 |
自己骨髄液 | |
再生医療等提供機関と同じ。 | |
投与を受ける本人の組織を使用する。 | |
上記選定基準に定める状態に反しないものであって、診察、一般臨床検査で不適格と判断されない者。なお、細胞提供者は再生医療等を受けるものと同一になるため、新たなドナースクリーニングは行わない。 | |
手術室にて腸骨稜から(最低5 mL)穿刺吸引する。 |
人工骨に担持した自己骨髄液(AMED-Bone+BM) | ||
製造法 〇AMED-Bone (機器部分):3.以降は外部機関にて行う。 1.CT撮影 東京大学医学部附属病院において口腔顎顔面領域のCTスキャンを行う。 2. 匿名化 DICOM(Dig ital Imag ing and Communications in Medicine)データから個人情報を削除する。 3.形状抽出 DICOMデータから形状の抽出を行う。 4.関心領域の確認 移植部位を作成するのに必要な形状が抽出できているか確認を行う。(3Dデータや模型など) 5.移植部位の形状作成 3Dデータや模型と移植部位とをデータ上、または模型上で移植部位の確認を行う。 6.移植部位の形状確認 3Dデータ上や実物の模型などで移植部位の形状の確認を行う。 7.移植部位への連通孔の設計 移植部位への連通孔の設計を行う。 8.造形 バイオ3Dプリンタを用い、造形を行う。 9.加熱処理 1100℃ 2時間の加熱処理を行う。 10.後工程 RCP水溶液含浸・乾燥・熱架橋処理(滅菌処理を兼ねる)を行う 〇自己骨髄液(細胞部分):東京大学医学部附属病院にて行う移植手術時に全身麻酔下に行う。 1. あらかじめイソジン消毒を行い、滅菌覆布で周囲を被覆した骨髄液採取部位(上前腸骨棘)に骨髄穿刺針を刺し、骨に達するまで進める。 2. 骨髄穿刺針を左右に回転させながら皮質骨を貫通させ、骨髄腔に達する。 3. 20 mLシリンジを装着し、骨髄液を吸引する。 〇AMED-Bone+BM :東京大学医学部附属病院にて行う 1.自己骨髄液をAMED-Boneにしみ込ませて担持させる。 品質管理 〇AMED-Bone (機器部分):外部機関にて行う CT検査 外形および内部構造の確認・設計通りの外形および内部構造になっていることを確認する。 最終外観検査 製品の外観に異常が無いことを確認する。目視で製品の状態を検査する。 〇自己骨髄液(細胞部分):東京大学医学部附属病院にて行う骨髄液採取時に、骨髄液の外観に異常がないことを、目視で確認する。 |
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対象者に対して、全身麻酔下に骨髄液を採取し、骨欠損あるいは骨低形成部を露出して骨膜を剥離、AMED-Boneに骨髄液を担持させて移植する。必要に応じてチタンメッシュプレートや縫合糸を用いて固定する。 | ||
無 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
FC3180158 | ||
東京大学医学部附属病院手術室 | ||
委託は行わない |
医療機器 | |||
未承認 | |||
器60 歯科用エンジン | |||
3Dプリンタ | |||
該当せず | |||
シーメット株式会社 | |||
神奈川県横浜市港北区新横浜2-5-5 住友不動産新横浜ビル5F |
無 | ||
無 | ||
無 | ||
無 |
富士フイルム株式会社 | ||
無 | ||
無 | ||
無 | ||
無 |
CMET株式会社 | ||
無 | ||
無 | ||
無 | ||
無 |
株式会社JMC | ||
無 | ||
無 | ||
無 | ||
無 |
有 | ||
東京大学医学部附属病院 | The University of Tokyo Hospital | |
非該当 |
AMED-Boneの安全性試験は、「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的考え方について」(平成24年3月1日、薬食機発0301第20号)、ISO10993「医療機器の生物学的評価」シリーズに準拠し、医薬品医療機器法施行規則第114条の22「申請資料の信頼性の基準」に基づいて実施した。 細胞毒性試験、感作性試験、刺激性試験、急性毒性試験、亜急性毒性試験、遺伝毒性試験はすべてISOで推奨されている溶媒を使用したAMED-Boneの抽出液を被験物として実施した。いずれの試験についても毒性は認められなかった。 骨内埋植試験はウサギ大腿骨骨幹端部の左右それぞれに被験物質としてAMED-Boneを、対照物質としてβ-T CPを埋植し、埋植後4週、13週及び26週における局所組織反応を評価した。 AMED-Boneは一連の生物学的安全性試験により長期埋植を実施しても安全性に影響がないことを確認した。 |
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東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科、およびティッシュ・エンジニアリング部において行われた、下記に示す動物実験により、人工骨の有用性を裏付ける所見を得ている。 ①ラット皮下移植実験 【方法】 直径5 mm、高さ5 mmの円柱系の人工骨を作製しFisher344ラット背部皮下に、人工骨のみ移植、あるいは採取直後の骨髄細胞を直接担持した人工骨を移植した。移植後4週で移植物を回収し、組織切片に対するH&E染色を行い、骨領域面積を算出することで骨形成を比較した。 【結果】 人工骨のみの移植では骨形成領域が10〜20%であった一方、採取直後の骨髄液を担持した人工骨では約60%の領域での骨形成が見られた。 ②ミニブタ骨欠損部移植実験 【方法】6か月齢のクラウン系ミニブタ前頭骨において、前頭‐後頭縫合からおよそ5mm前方の位置にφ20mmの欠損を作製し、φ20mmの人工骨を単独で、あるいは採取直後の骨髄細胞を直接担持して移植した。移植3、6、12週で移植物を回収し、CT撮影および組織切片に対するH&E染色を行った。 【結果】 人工骨のみの移植に比較し、採取直後の骨髄液を担持した人工骨では早期の骨形成及び周囲骨との癒合が見られた。また、提供する再生医療の妥当性について、以下の文献で検討を行った。 ①T reatment of acute fractures with a collag en-calcium phosphate g raft material. A randomized clinical t rial. Chapman MW, Bucholz R, Cornell C. J Bone Joint Surg Am. 1997 Apr;79(4):495-502. 【方法】 ・骨移植を必要とする長管骨骨折患者213人(249例)について、無作為に自家骨移植群(腸骨より採取)あるいはコラーゲン・セラミック移植群(精製ウシコラーゲンとハイドロキシアパタイト、3リン酸カルシウム(T CP)の混合物に自家骨髄液を加えたもの)に分け、手術を行った。 ・24か月以上経過観察し、レントゲンによる骨癒合の評価や、合併症の頻度について比較した。 【結果】 ・骨癒合は両群で差を認めなかった。 ・合併症については、自家骨移植群で創部感染が多かったことを除いて差はなかった。 【結論】コラーゲン・セラミックと自己骨髄液の組み合わせは、安全性、有効性、自家骨移植における骨採取に関連する手術時間の延長やリスクの増加を防止できることから有効な治療法と考えられる。 ②Fusion rate and clinical outcome in anterior lumbar interbody fusion with beta-tricalcium phosphate and bone marrow aspirate as a bone g raft substitute. A prospective clinical study in fifty patients. Lechner R, Putzer D, Liebensteiner M, Bach C, T haler M. Int Orthop. 2017 Feb;41(2):333-339. 【方法】 ・腰椎椎間板変性あるいは腰椎すべり症による腰痛を持つ患者50人に対し、ポリマー性のケージにβT CPおよび自己骨髄液を充填したものを椎間板腔に移植した。 ・腰椎レントゲン(術後3,6,12か月)、CT(術後12か月)により骨癒合を評価した。 ・腰痛による活動制限度の評価(Oswestry Disability Index: ODI)、VASスケールによる痛み(腰部、下肢)の評価、合併症の情報収集も併せて行った。 【結果】 ・VASスケールによる痛みの評価については、中央値8→2(腰部)、7→2(下肢)、ODIについても中央値58→18と改善が見られた。 ・腰椎レントゲンでは85.48 %で、CTでは77.78 %で骨癒合を認めた。 【結論】自家骨を用いた対照群がないのがこの研究の限界の一つであるが、骨癒合率は自家骨を用いた同様の手術についての報告と同等であり、この治療法の妥当性が確認された。 ③Autog enous Bone Marrow Aspirate Coated Synthetic Hydroxyapatite for Reconstruction of Maxillo-Mandibular Osseous Defects: A Prospective Study. Gali RS, Devireddy SK, Mohan Rao N, Kishore Kumar RV, Kanubaddy SR, Dasari M, Sowjanya K, Pathapati RM. J Maxillofac Oral Surg . 2017 Mar;16(1):71-78. 【方法】 ・上顎骨あるいは下顎骨に良性疾患による骨融解病変を有する患者9人に対し、合成ハイドロキシアパタイト(ハイドロキシアパタイト、T CPなどからなる混合物)に自己骨髄液を混和したものを骨欠損部に移植した。 ・術後1,3,6か月に観察を行い、レントゲン撮影による骨融合評価、粘膜面の修復、痛みに関するVASスケール評価、合併症情報の収集を行った。 【結果】 ・術後6か月時点で粘膜修復は良好であり、痛みの訴えもなかった。 ・レントゲン上母床骨との融合は良好であり、画像のGray levelも45.2 %増加した。 ・重篤な合併症は見られなかった。 【結論】合成ハイドロキシアパタイトと自己骨髄液の組み合わせは、骨再生に必要な骨形成能、骨誘導能、骨伝導能を示し、自家骨移植における採取部位への侵襲を大幅に軽減できることから、小〜中程度の顎骨の骨欠損における骨再生を促進させる効果的な選択肢と考えられる。 ④An Injectable Recombinant Collag en I Peptide-Based Macroporous Microcarrier Allows Superior Expansion of C2C12 and Human Bone Marrow-Derived Mesenchymal Stromal Cells and Supports Deposition of Mineralized Matrix. Confalonieri D, La Marca M, van Dong en EMWM, Walles H, Ehlicke F. T issue Eng Part A. 2017 Sep;23 (17-18):946-957. 【方法】 ・富士フイルム社製ヒトリコンビナントコラーゲンペプチド(RCP: Cellnest)をdehydrothermal (DHT )、hexamethylenediisocyanate (HMDIC、あるいは1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide (EDC)を用いてクロスリンクさせ、Cultispher(市販のゼラチンマイクロキャリアー)を対照として、C2C12細胞(マウス筋芽細胞株)およびヒト骨髄間葉系幹細胞の生細胞率、増殖率、分化能について比較した。 【結果】 ・RCPをクロスリンクしたマイクロキャリアーにおいてC2C12およびヒト骨髄間葉系幹細胞の生細胞率が高かった。 ・DHTあるいはHMDICでRCPをクロスリンクしたマイクロキャリアーにおいてC2C12およびヒト骨髄間葉系幹細胞の細胞増殖率が高かった。 ・DHTでRCPをクロスリンクしたマイクロキャリアーにおいてヒト骨髄間葉系幹細胞の分化誘導を行い、細胞外基質の沈着を確認できた。 【結論】DHTでRCPをクロスリンクしたマイクロキャリアーは、再生医療における細胞担体として有用であると考えられる。 |
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採取した骨髄液の肉眼所見およびAMED-Boneの外観に問題がないことを確認して移植を決定する。 | ||||||
研究責任医師は次の事例があった場合、研究実施継続の可否を検討する。 1)重篤有害事象等により研究継続が不可能と判断した場合。 2)AMED-Bone+BMの品質、有効性および安全性に関する事項、その他、研究を適正に行うために重要な情報を知った場合。 3)対象者の組入れが困難で予定症例を達成することが困難であると判断された場合。 4)認定再生医療等委員会の意見として研究計画書等に対する修正の指示があり、これを受け入れることが困難な場合。 5)認定再生医療等委員会が中止の判断をした場合。 6)臨床研究法、施行規則又は研究計画書に重大な又は継続的な違反が生じた場合。 なお、本臨床研究を中止する場合は、中止の日から10日以内に、その旨を認定再生医療等委員会に通知するとともに、地方厚生局にも報告する。 |
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作製したAMED-Boneのうち使用されなかったものは、株式会社シーメットにて施錠された部屋において施錠のついた棚にて保管。 採取した骨髄液のうち余剰分については、対象者が感染症を発症した場合等の原因の究明のため研究責任医師が保存を行う。スメアを作製し切片を保存するとともに、残余分の骨髄液は超低温フリーザーで、東京大学医学部附属病院分子ライフイノベーション棟4階細胞プロセシング・バンキングセンターにて研究終了後より10年間保管を行う。 |
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作製したAMED-Boneのうち使用されなかったものは、今後研究に用いられないと判断された場合には物理的に破壊して破棄する。 採取した骨髄液のうち余剰分については、保存期間終了後は医療廃棄物として廃棄する。 |
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疾病等の報告 ①省令第35条第1項および第2項に係る疾病等の報告 研究責任医師は、省令第35条第1項に係る疾病等の発生を認めたときは、速やかに病院長に報告する。報告は、別紙様式第二を用い、出来るだけ詳細に記述する。また、病院長による厚生労働大臣および認定再生医療等委員会等への報告について協力する。 ②省令第35条第3項に係る疾病等の報告 研究責任医師は、省令第35条第3項に係る疾病等の発生を認めたときは、速やかに病院長に報告する。報告は、別紙様式第二を用い、出来るだけ詳細に記述する。また、病院長による認定再生医療等委員会等への報告について協力する。 なお、報告対象、期限、報告先は以下の通りである。 1.以下に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるものまたは当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの イ 死亡 ロ 死亡につながるおそれのある症例 報告期限:7日 報告先:認定再生医療等委員会および地方厚生局長 2.以下に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等提供によるものと疑われるものまたは当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの イ 治療のために医療機関への入院または入院期間の延長が必要とされる症例 ロ 障害 ハ 障害につながるおそれのある症例 ニ 重篤である症例 ホ 後世代における先天性の疾病または異常 報告期限:15日 報告先:認定再生医療等委員会および地方厚生局長 3.再生医療等の提供によるものと疑われるまたは当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症による疾病等の発生(上記に掲げる疾病を除く) 報告期限:再生医療等提供計画を厚生労働大臣に提出した日 から起算して60日ごとに当該期間満了後10日以内 報告先:認定再生医療等委員会 ③再生医療等の提供状況の定期報告 再生医療等提供医療機関の管理者は、再生医療等の提供の状況について、再生医療等提供計画に記載された再生医療等技術ごとに、次に掲げる事項について、認定再生医療等委員会および厚生労働大臣または地方厚生局長に報告しなければならない。 報告事項: [1]当該再生医療等を受けた者の数 [2]当該再生医療等に係る疾病等の発生状況およびその後の経過 [3]当該再生医療等の安全性および科学的妥当性についての評価 [4]当該再生医療等の提供を終了した場合にあっては、終了した日 報告期限:再生医療等提供計画を厚生労働大臣または地方厚生局へ提出した日から起算して、1年毎に、当該期間満了後90日以内に行われなければならない。 なお、厚生労働大臣または地方厚生局への報告については、認定再生医療等委員会が報告に対する意見を述べた場合は、その意見を添えること。 ④重大事態報告(省令第107条) 特定細胞加工物(AMED-Bone+BM)の製造業務の安全性確保に重大な支障を及ぼす事態が生じた場合、研究責任医師は必要な措置を講じ、速やかに地方厚生局長に報告すると共に、東京大学医学部附属病院に報告する。 |
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再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病等の発生の場合に当該疾病等の情報を把握できるよう、及び細胞加工物に問題が生じた場合に対象者の健康状態等が把握できるよう、あらかじめ対象者の同意を得た上で連絡先等の情報を収集し管理する。投与後2年間(研究期間6か月、追跡期間1年6か月)は安全性および有効性について外来通院にて検証する。 | ||||||
再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病等の発生の場合に当該疾病等の情報を把握できるよう、及び細胞加工物に問題が生じた場合に患者の健康状態等が把握できるよう、あらかじめ対象者の同意を得た上で連絡先等の情報を収集し管理する。 | ||||||
無 | ||||||
実施計画の公表日 | ||||||
募集中断 | Suspended | |||||
有 |
有 |
東京大学認定再生医療等専門委員会 | Certified Committee for Regenerative Medicine, the University of Tokyo | |
NA8150016 | ||
東京都文京区本郷7-3-1 国立大学法人東京大学 | 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, the University of Tokyo, Tokyo, Tokyo | |
03-5841-1059 | ||
saisei-iinkai.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp | ||
第一種再生医療等又は第二種再生医療等を審査することができる構成 | ||
適 | ||
2021年06月01日 |
本臨床研究の実施に係るデータ類および同意文書等を取扱う際は、対象者の個人情報保護に十分配慮する。症例報告書等の記載は患者識別コードを用いて行う。本臨床研究の結果を公表する際は、対象者を特定できる情報を含まないようにする。本研究で収集する情報・データは、氏名、イニシャル、患者IDなどの個人情報をはずし、新たな符号をつけて匿名化された対応表を作成し個人が識別できないようにしたうえで、東京大学医学部附属病院ティッシュ・エンジニアリング部のパスワードロックをかけたスタンドアローンのパソコンで厳重に保管する。紙資料は東京大学医学部附属病院ティッシュ・エンジニアリング部の施錠可能な保管庫に保管する。匿名化対応表は解析自体に用いられることはないが、対象者からの同意撤回があった場合など必要に応じて符号を個人情報に戻す操作を行い、該当対象者の情報やデータを廃棄する際に用いられる。 | ||
(教育訓練) 提供機関管理者が、医師及び職員に対して以下について定期的に教育及び研修を行い、記録し、保管する。(外部団体の研修含む) 1 医師及び製造管理・品質管理業務に従事する職員に対して製造及び品質管理に関する必要な教育訓練 2 医師及び製造又は検査に従事する職員に対して、特定細胞加工物の製造のために必要な衛生管理、微生物学、医学その他必要な教育訓練 3 清浄度管理区域及び無菌操作等区域等での作業に従事する職員並びに特定細胞加工物の加工等に係る作業に従事する職員に対して、微生物等による汚染を防止するために必要な措置に関する教育訓練 4 治療を行う医師およびその他医療従事者に対して、credit等のWebツールを用いた臨床研究の教育訓練、ハンズオンによる医療技術の教育訓練5 全ての医師、歯科医師、従事者に対して、被験者保護(研究倫理)に関する教育訓練 6 その他必要に応じて、実施責任者からの指示に基づいた教育訓練 (情報の収集) 医師は、専門誌などからの情報収集をはじめ、日本口腔外科学会、日本口腔科学会、日本再生医療学会等に出席をして、常に最新の情報の収集につとめる。 |
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東京大学医学部附属病院においては電話、メールでの苦情及び問合せへの対応体制が整備されている。 | ||
非該当 | ||
なし | none | |
無 | ||
非該当 | ||
非該当 | ||
非該当 | ||
4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 | 05.説明文書・同意文書_2.3_承認_マスキング済み.pdf |
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