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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第二種
令和7年12月12日
自己脂肪組織由来神経前駆幹細胞を用いた神経障害性疼痛への静脈投与による安全性の検証
自己脂肪組織由来神経前駆幹細胞を用いた神経障害性疼痛への静脈投与による安全性の検証
医療法人香華会 Re:Born Clinic 本院
坂口 尚
神経障害性疼痛と診断され、慢性的な痛みに苦しんでいる患者は推計約600万人と非常に多く、その原因は神経損傷、脊髄損傷、あるいは脳の損傷や機能障害などによるものとされている。現在の治療は主に薬物による対症療法が中心であり、根本的な治療法は確立されていないのが現状です。 本臨床研究では、神経障害性疼痛と診断された患者に対し、自己脂肪組織由来の神経前駆幹細胞を静脈投与し、その安全性を確認することを目的とした。
1
神経障害性疼痛
募集中
再生医療細胞治療特定認定再生医療等委員会
NA8220003

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和7年12月9日
jRCTb070250113
医療法人香華会 Re:Born Clinic 本院
福岡県福岡市東区香椎照葉3-4-10
坂口 尚 Sakaguchi Hisashi

(1)再生医療等の名称及び分類

自己脂肪組織由来神経前駆幹細胞を用いた神経障害性疼痛への静脈投与による安全性の検証 Verification of safety of intravenous administration of autologous adipose-derived neural progenitor stem cells for neuropathic pain.
自己脂肪組織由来神経前駆幹細胞を用いた神経障害性疼痛への静脈投与による安全性の検証 Verification of safety of intravenous administration of autologous adipose-derived neural progenitor stem cells for neuropathic pain.
第二種
本再生医療等は神経障害性疼痛の症状の改善を目的として、再生医療等を受ける者から採取した脂肪から製造した自己脂肪組織由来神経前駆幹細胞を静脈投与するものである。 使用する細胞は自己脂肪組織由来神経前駆幹細胞であり、特定細胞加工物の製造にあたって遺伝子導入をしない細胞培養を行うことから、平成26年10 月31日付け医政研発1031第1号厚生労働省医政局研究開発振興課長通知の図2に基づき第二種に該当すると判断した。

(2)再生医療等の内容

神経障害性疼痛と診断され、慢性的な痛みに苦しんでいる患者は推計約600万人と非常に多く、その原因は神経損傷、脊髄損傷、あるいは脳の損傷や機能障害などによるものとされている。現在の治療は主に薬物による対症療法が中心であり、根本的な治療法は確立されていないのが現状です。 本臨床研究では、神経障害性疼痛と診断された患者に対し、自己脂肪組織由来の神経前駆幹細胞を静脈投与し、その安全性を確認することを目的とした。
1
実施計画の公表日
2027年01月31日
6
介入研究 Interventional
単一群 single arm study
非盲検 open(masking not used)
非対照 uncontrolled control
単群比較 single assignment
治療 treatment purpose
(1) 神経障害性疼痛と診断されているかた
(2) 内服薬治療で症状の改善が、認められないかた
(3) 20 歳以上 80歳以下のかた
(4) 本人から文書による同意が得られているかた
(5) 安全性を確認する検査等に参加できるかた
(1) Individuals diagnosed with neuropathic pain
(2) Individuals whose symptoms have not improved with oral medication
(3) Individuals between the ages of 20 and 80
(4) Individuals who have provided written informed consent
(5) Individuals who are able to participate in safety evaluation tests and related procedures
(1)脂肪採取時の麻酔薬アレルギーのかた
(2)透析中のかた
(3)妊娠中のかた
(4)入院中のかた
(5)本研究担当医師が,被験者のバイタルサインや血液検査(肝機能、腎機能等)結果を見て、正常範囲内に含まれないとされたかた
(6)感染症検査(HBs抗原 、 HCV抗原・抗体、HIV抗原・抗体、HTLV-1抗原・抗体、梅毒)が陽性のかた
(7) 敗血症及びその疑いのかた
(8) 悪性腫瘍の罹患歴のあるかた
(1) Individuals with an allergy to anesthetics used during fat collection
(2) Individuals undergoing dialysis
(3) Individuals who are pregnant
(4) Individuals who are currently hospitalized
(5) Individuals deemed by the principal investigator to have abnormal vital signs or blood test results (e.g., liver or kidney function) outside the normal range
(6) Individuals who test positive for infectious disease screening (HBs antigen, HCV antigen/antibody, HIV antigen/antibody, HTLV-1 antigen/antibody, and syphilis
(7) Individuals with sepsis or suspected sepsis
(8) Those with a history of malignant tumors
20歳 以上 20age old over
80歳 以下 80age old under
男性・女性 Both
・観察途中に被験者の妊娠がわかった場合
・観察経過中に、被験者が安全性の検査を拒否した場合
・投与時に、実施責任者等が患者のバイタルサインや血液検査結果から判断して、本試験の中止を判断した場合


神経障害性疼痛 Neuropathic Pain
自己脂肪組織由来神経前駆幹細胞を静脈投与する Intravenous administration of autologous adipose tissue-derived neural progenitor stem cells
・胸部X線撮影
・問診(身体所見)
自己脂肪組織由来神経前駆幹細胞の静脈投与から2~3時間後に実施し、特定細胞加工物の投与に起因する有害事象が起きていないかの確認を行う。
Chest X-ray
Medical interview (physical examination)
This test is performed 2 to 3 hours after intravenous administration of autologous adipose-derived neural progenitor cells to confirm that no adverse events caused by the administration of specific cell products have occurred.
・診察・問診:身長・体重,治療歴,合併症、既往歴,身体所見、体温,血圧,脈拍 、酸素飽和度、痛みの強さ(VAS、NRS、FRS)等
・血液検査:赤血球,白血球,血小板を含む一般血液検査及び肝臓や腎臓機能等を含む生化学検査
・画像検査:胸部X線、心電図
上記を投与前と静脈投与(1週間、4週間、8週間、12週間)後に行い特定細胞加工物の投与に起因する有害事象が起きていないかの確認を行う。
Medical Examination and Interview Height and weight, treatment history, comorbidities, medical history, physical findings,
body temperature, blood pressure, pulse, oxygen saturation, pain intensity (VAS, NRS, FRS),etc.

Blood Tests General hematological tests including red blood cells, white blood cells, and platelets, and biochemical tests
including liver and kidney function

Imaging tests: chest X-ray, electrocardiogram(ECG)

The above will be performed before administration and after intravenous administration (1 week, 4 weeks, 8 weeks, and 12 weeks) to confirm that no adverse events caused by the administration of specific cell products have occurred.
1.概要
神経障害性疼痛と診断され、慢性的な痛みに苦しむ患者は、推定で約600万人と非常に多く、その原因は神経損傷、脊髄損傷、あるいは脳の損傷や機能障害によるものです。現在の治療は、投薬などの対症療法が中心であり、根本的な治療法は確立されていないのが現状です。
 このような背景から、幹細胞治療による損傷組織の修復、免疫調整、神経再生などを目的として治療を受ける人が増えています。本治療では、脂肪組織由来の神経前駆幹細胞を静脈内に投与し、安全性の確認を行う。

2.期待される効果とリスク
体内に投与された幹細胞は、損傷や炎症のある部位に集積し、炎症を抑え、傷ついた組織の修復を促進する性質を持っている。また、幹細胞は神経細胞へと分化することがある。
これらの作用により、慢性炎症を抑制し、末梢神経の損傷部位を修復するとともに、再生された神経細胞が機能することで、神経障害性疼痛の軽減が期待される。

3.治療の方法
本治療では、患者本人の脂肪組織を採取して使用します。脂肪組織は、主に腹部等を切開してブロック状に採取します。採取した脂肪組織は、許可を受けた細胞加工施設に輸送され、そこで神経前駆幹細胞の分離・培養を行う。
 治療に必要な細胞数まで増殖させた後(約8週間程度)、神経前駆幹細胞を作製する。この細胞は冷凍保存され、治療を行う医療機関に送付され、静脈から投与する。

4.他の治療法との比較
現在、神経障害性疼痛の治療は主に対症療法であり、根治を目指す手術療法などはないのが現状です。鎮痛剤や抗うつ薬、精神安定剤などの薬物療法が中心ですが、これらでは十分な疼痛コントロールが得られない場合もある。
 本治療では、患者自身の脂肪組織由来の神経前駆幹細胞を使用するため、拒絶反応等の副作用が少なく、損傷部位に幹細胞が集積し、抗炎症性サイトカインの分泌や神経細胞への分化を通じて、痛みの軽減が期待される。


2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

医師
坂口 尚 Sakaguchi Hisashi
70346980
医療法人香華会 Kougekai Medical Corporation
Re:Born Clinic 本院
813-0017
福岡県福岡市東区香椎照葉3-4-10 3-4-10, Kashiiteriha, Higashi-ku, Fukuoka-shi, Fukuoka
092-707-6310
rebornclinic.k@gmail.com
他の医療機関
3床が緊急時に使用可能な状態にある。 ・心電図(12誘導) ・酸素吸入 ・AED ・挿管セット 以上の設備を院内に設置し、緊急処置をして下記の医療機関に搬送する。 医療機関名:社会医療法人財団 池友会 福岡和白病院 施設内に救急科、集中治療室有。

(2)その他研究の実施体制に関する事項

速見 千華恵 Hayami Thikae
医療法人香華会 Kougekai Medical Corporation
Re:Born Clinic 本院
813-0017
福岡県福岡市東区香椎照葉3-4-10 3-4-10, Kashiiteriha, Higashi-ku, Fukuoka-shi, Fukuoka
092-707-6310
rebornclinic.k@gmail.com
医師
坂口 尚
70346980
医療法人香華会
Re:Born Clinic 本院
医師
山口 修司
医療法人香華会
Re:Born Clinic 本院
株式会社Reborn Agency
平野 順之
株式会社Reborn Agency
医療法人社団誠心会
阿部 康二
医療法人社団誠心会
Re:Born Clinic 銀座院
株式会社Reborn Agency
平野 順之
株式会社Reborn Agency
非該当

(3)多施設共同研究に関する事項

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物等の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

自己脂肪組織由来幹細胞
医療法人香華会 Re:Born Clinic 本院
【選択基準】
(1) 神経障害性疼痛と診断されているかた
(2) 内服薬治療で症状の改善が認められないかた
(3) 20 歳以上 80歳以下のかた
(4) 本人から文書による同意が得られているかた
(5) 安全性を確認する検査等に参加できるかた


【除外基準】
ただし,以下のいずれかにあてはまる方は対象とはなりません。これ以外にも,担当医師が参加できないと判断することがある
(1)脂肪採取時の麻酔薬アレルギーのかた
(2)透析中のかた
(3)妊娠中のかた
(4)入院中のかた
(5)本研究担当医師が,被験者のバイタルサインや血液検査(肝機能、腎機能等)結果を見て、正常範囲内に含まれないとされたかた
(6)感染症検査(HBs抗原 、 HCV抗原・抗体、HIV抗原・抗体、HTLV-1抗原・抗体、梅毒)が陽性のかた
(7) 敗血症及びその疑いのかた
(8) 悪性腫瘍の罹患歴のあるかた
本治療を提供する医師による問診、診察により、再生医療等を受ける者の適格性が選択方法と相違ないかの確認を行う。
特定細胞加工物の原料となる脂肪組織は、
医療法人香華会 Re:Born Clinic 本院の処置室にて脂肪採取を、再生医療等を行う医師が採取する。

組織(細胞)の採取には、以下の器具、試薬等を用いる。
・メッツエンバウアー(ハサミ)
・鑷子
・メス(15)
・持針器
患者の下腹部から、以下の手順により小豆大の脂肪組織(細胞)を採取する。
この際、1%キシロカインにて局所麻酔を行う。
①採取部の消毒
②局所麻酔
③組織採取
さらに、培養するための原料として、末梢血を真空採血管を用いて50ml採血する。

(2)特定細胞加工物等の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物等を用いる場合のみ記載)

自己脂肪組織由来神経前駆幹細胞
<細胞の加工の方法の概要>
(1)脂肪組織から幹細胞を基材に乗せて幹細胞の分離
(2)基材から遊走した幹細胞を薬剤で剥離し、フラスコへ継代
(3)フラスコがサブコンフルエントとなったら薬剤を使用して別のフラスコへ拡大培養
(4)(3)の細胞の一部を別のフラスコに播種し、NGP-1(神経前駆幹細胞)培地を作成
(5)(3)の細胞を薬剤を使用して回収をし、(4)と混和
(6)翌日に、(5)を遠心洗浄して細胞のみ生理食塩水に浮遊させる。一部をサンプリングして品質検査に提出
(5)4~10℃で温度管理できる輸送箱で細胞を輸送

<品質管理の方法の概要>
原料の検査及び判定基準
(試験項目)
目視検査、ウイルス試験、無菌試験

<特定細胞加工物の検査及び判定基準>
(試験項目)
性状試験、目視検査、無菌試験、マイコプラズマ否定試験、エンドトキシン否定試験、生存率が全て基準値を満たす事

<特定細胞加工物の保管方法>
・特定細胞加工物は製造後、4~10度の冷蔵庫で、輸送箱に梱包するまで保管する
当該再生医療等を行う医師が本院の処置室で、フィルター付き輸液セットを経由して約50分かけて静脈投与する
株式会社ASメディカルサポート
FA7210002
ASメディカルサポート 九州再生医療細胞培養センター
特定細胞加工物の製造の全工程を委託する。

(3)再生医療等製品等に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物等製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

株式会社 ASメディカルサポート

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物等製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

Maurizioら(3)によると進行性多発性硬化症患者(38歳~57歳、平均年齢50歳、女性9名、男性6名の15名)に、単一ドナーからの同種神経幹細胞/前駆細胞を脳内(細胞数は4群に分け、500万個、1000万個、1600万個、2400万個)に局所投与を行い、12カ月間の有害事象の発生を確認した。血液検査で白血球が7400μ/Lが8.2μ/Lに上昇したが、他の臨床検査では有意な差が出なかった。細胞投与後12時間後に半年間は拒絶反応を抑制するために経口タクロリムスを投与し、その影響による薬害であると確認でき、その薬剤の容量調整後には消失した。その他報告された有害事象は、全て細胞に起因したものではなく、併用療法(ステロイド、タクロリムス)に関連したものだった。
12か月の追跡調査中は、機能障害及び疾患の臨床的進行は認められない。

 森山らの(4)によると雄のラット(体重220~250g)の右外頸動脈と翼口蓋動脈を糸で縛るマイクロスフィア誘発性脳塞栓症(ME)を用いて脳梗塞モデルラットとマイクロスフィア不含の同量液体を入れた疑似手術をしたラットを作成した。
 神経前駆細胞は、妊娠14日目のラット胎児から調整し、20ng/㎖のEGFとb-FGFを添加して培養した。その後、EGFとb-FGFを除去して基礎培地に浮遊し、最終濃度1.0×10^6個/100μℓとした。その細胞浮遊液を脳塞栓発症後7日目のラットに右大腿静脈から投与した。対照群も同様に投与した。
投与7日目と28日目に、神経前駆細胞の投与の効果による血管新生を検証した。7日目では、対象群と比較して、投与群の方が血管内皮細胞数に有意な増加が認められた。28日目では対照群の血管内皮細胞数は、7日目に梗塞させた神経前駆細胞の投与群よりも減少する傾向を示した。
神経前駆細胞の投与群は、血管内皮細胞数の減少を抑える事が確認できた。
本研究では、塞栓症後28日目の梗塞周辺領域において、神経前駆細胞の静脈内投与が血管新生を促進し、この増加は血管新生因子とその受容体の変化を伴っていました。血管新生は虚血性脳の梗塞領域の保護に必要であることが示されており、神経前駆細胞により誘発された血管新生は後期の段階で虚血誘発性脳機能障害の改善に寄与する可能性があり、梗塞部位の修復効果よりも重要な役割を果たす可能性がある可能性が高いと考察する。

(3)Maurizio et al.Phase I clinical trial of intracerebroventricular transplantation of allogeneic neural stem cells in people with progressive multiple sclerosis.
Cell stem cell. 2023 Dec 07;30(12)
(4)Moriyama et al.Intravenous injection of neural progenitor cells facilitates angiogenesis after cerebral ischemia. Brain and behavior. 2013 Mar;3(2);43-53.

 当該臨床研究で使用する神経前駆細胞は、同種幹細胞(3)と違い免疫拒絶はなく、局所投与は安全性が確認できている。
静脈投与は、ラットで安全性は確認できているがヒトの臨床例が論文等でないため、今回は安全性の評価を行うために当該臨床研究を実施する事とした。
医療法人香華会 Re:Born Clinic 本院では、「自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療」を行っている。2023年3月4日~1年間の静脈投与後の疼痛改善の有無を報告する。
経過が観察できた症例において、初回来院時よりNRSの値が低下し疼痛の改善が認められた患者は68症例中23症例(33.8%)、疼痛の悪化がない患者(NRSスコアが不変)は68症例中3症例(4.4%)、疼痛の悪化が見られた患者は68症例中0症例となります。
また、68名の内、2名から幹細胞点滴投与後に微熱の症状が確認されたが、自然治癒および解毒剤内服で完治している。
標準治療よりも副作用のため中止せざるを得ない症例は少なく、細胞治療の可能性を示唆しています。


脂肪由来幹細胞から神経前駆細胞となる根拠論文として以下の論文を引用した。
培養した脂肪由来幹細胞を、幹細胞増殖因子(EGF、bFGF, PDGF)添加培地を用いて培養すると、上清液中に神経栄養因子(BDNF、GDNF、NGF、NT-3、VEGF、HGF)を発生する(1)
in vitroにて、ラットの背根神経節(DRG)に、神経栄養素因子の刺激を受けたAdMSCを播種し、48時間後にβⅢ-チューブリン抗体で免疫染色をすると、長い神経突起の確認ができている事が確認できている。その時に、神経栄養素入り上清のみをラットの背根神経節(DRG)に播種したが、神経栄養素因子の刺激を受けたAdMSCの方がより長い神経突起の確認が確認できた。
つまり、神経栄養因子入りの上清中で、脂肪由来幹細胞を培養する事により神経細胞への分化が促進される(2)
AdMSCを、神経栄養因子が含まれている自己培養上清中で、培養する事により得れた細胞を、「自己脂肪由来神経前駆幹細胞」として治療に使用して、静脈投与する安全性の確認ができれば、患者さんに新たな細胞治療が提供できると考察している。
in vitroでの自己脂肪由来神経前駆幹細胞は、幹細胞の特徴となるFACSでの要件も満たしている。in vitroで当該細胞を基礎培地で培養すると、神経細胞に誘導されている事が確認できている。(詳細は、細胞に関する書類を参照)

(1) Kingham et al.Stimulating the neurotrophic and angiogenic properties of human adipose derived stem cells enhances nerve repair、Stem cells and development. 2014 Apr 01;23(7);741-54
(2) Princy Choudhary et al. Comparative evaluation of divergent concoction of NGF, BDNF, EGF, and FGF growth factor’s role in enhancing neuronal differentiation of adipose-derived mesenchymal stem cells. International Journal of Biological Macromolecules 260 (2024) 129561
特定細胞加工物業者より発行された品質保証書の内容を確認し、問診時に患者さんの状態(指定した評価検査等)を確認し、問題がなければ、再生医療等を行う医師の判断で投与の可否を決定する。
<投与前の場合>
 再生医療等を行う医師の判断により投与前の場合は投与を中止する。

<投与中の場合>
 再生医療等を行う医師の判断により投与中の場合は投与を中止し治療が必要とされる場合は必要な処置を行う。その後、再生医療等を行う医師が患者の健康状態の経過観察を投与後12週間は行う。

<投与後の場合>
 再生医療等を行う医師の判断により投与後、治療が必要とされる場合は必要な処置を行う。その後、再生医療等を行う医師が患者の健康状態の経過観察を最低12週間は行う。
<採取組織(細胞)の一部の保存>
疾病等が発生した場合の原因究明のため、採取組織(細胞)の一部を6か月間、-80℃以下で保存する。

<使用した特定細胞加工物の一部の保存>
疾病等が発生した場合の原因究明のため、使用した特定細胞加工物の一部を6か月間、-80℃以下で保存する
医療廃棄物として適正に破棄する。
 再生医療等を行った医師は、本再生医療等に起因すると疑われる疾病等が発生したことを知った場合、その旨を速やかに管理者へ報告をし、その後管理者が代表管理者に報告する。
 管理者は、再生医療等を行った医師による報告を受けた場合は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)第17条及び第18条に基づき、再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(厚生労働省令第110号)第35条及び第36条に定める期間内に本再生医療等提供計画に記載した認定再生医療等委員会及び地方厚生局長に報告する。
 再生医療等を行う医師は、本治療を受ける意思が確認できた患者に対し、以下の内容で患者の健康状態を把握するための診療と各種検査を実施する。投与後はこれら検査数値及び症状の経過をもって、安全性及び有効性の評価を行う。

 投与後、2~3時間後に胸部X線検査を行う。投与(1週間、4週間、8週間、12週間)後に、問診(身長・体重、治療歴、合併症・既往歴、身体所見、体温、血圧、脈拍 、酸素飽和度、痛みの強さ(VAS、NRS、FRS)等、血液検査、画像検査等を行い、特定細胞加工物に起因する異常値が起きていないかの確認を行う。
 ただし、血液検査結果は診察後、検査機関へ依頼するため翌日もしくは翌々日しか結果が判明しないため、検査結果で異常値が確認出た場合は、再生医療等を行う医師は、管理者(実施責任者)に報告をし、管理者(実施責任者)は再生医療を行う医師に対し、患者に連絡して必要な措置を取る等の措置を講じるよう指示するとともに、管理者は、特定細胞加工製造事業者へ報告を行う。
また、有害事象を確認した場合は、12週間以降もフォローアップを行う。


カルテにて再生医療等を受ける者の住所及び電話番号の記載を義務付ける。
実施計画の公表日
募集中 Recruiting

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

再生医療細胞治療特定認定再生医療等委員会 Regenerative Medicine Cell Therapy Specific Approved Regenerative Medicine Committee
NA8220003
福岡県福岡市中央区大名2-6-39ジラソーレビル5階 Girasole Bldg. 5F, 2-6-39 Daimyo, Chuo-ku, Fukuoka City, Fukuoka, Fukuoka
092-406-7536
info@saiseiiryou-fund.com
第一種再生医療等又は第二種再生医療等を審査することができる構成
2025年10月28日

7 その他

第1章 基本理念
(目 的)
第1条 本規程は、医療法人香華会 Re:Born Clinic 本院において収集、利用、保存される細胞提供者及び再生医療等を受ける者(以下「細胞提供者等」という。)の個人情報を「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)及び「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(以下「再生医療等安全性確保法」という。)に基づき適正に取扱い、その保護を図ることを目的とする。

第2章 用語の定義
(用語の定義)
第2条
本規程で使用する用語の定義は、以下のとおりとする。
(1)個人情報
細胞提供者等の特定の個人が識別され、又は識別され得るもののうち、診療所が業務上取得又は作成した情報のすべてをいう。
(2)診療記録等
診療の過程で細胞提供者等の身体状況、症状、治療等について作成又は収集された書面、画像等のすべてをいう。
(3)匿名化
個人情報の一部を削除又は加工することにより特定の個人を識別できない状態にすること。
(4)個人情報保護管理責任者
医療における個人情報保護に関し十分な知識を有する者で、個人情報保護に関する具体的な取り組みを推進する責任者をいう。
(5)個人情報保護監査責任者
個人情報保護に関する運用状況を定期的に監査するための責任者をいう。
(6)個人情報保護管理者
各部署において、個人情報保護に関する具体的な取り組みを行う管理者をいう。
(7)個人情報取扱担当者
各部署において、個人情報を取り扱う担当者をいう。

第3章 個人情報の取得
第3条
細胞提供者等から個人情報を取得する場合には、その情報の利用目的、当該情報を第三者に提供する場合について、あらかじめ細胞提供者等に公表する。公表の方法については、細胞提供者等の同意を得る際に文書により説明するほか、診療所内の掲示等により行う。
2 いったん特定した利用目的を後に変更する場合には、前項の手順にしたがって、あらためて細胞提供者等に利用目的の変更内容を通知する。ただし、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると認められる範囲を超えることのないよう留意する。
3 個人情報の取得は、適法かつ公正な手段によって行うものとする。

第4章 診療記録等の取扱いと保管(紙媒体により保存されている診療記録等)
(保管の際の注意義務)
第4条
診療記録等の保管については、毎日の業務終了時に所定の保管場所に収納し、滅失、毀損、盗難等の防止に十分に注意するものとする。
(利用時の注意義務)
第5条
細胞提供者等の診療中や事務作業中など、診療記録等を業務に利用する際には、滅失、毀損、盗難等の防止に十分留意するとともに、記録の内容が他の細胞提供者等など部外者等の目に触れないよう配慮しなくてはならない。
(修正)
第6条
いったん記録した診療記録等を、後日書き改める場合には、もとの記載が判別できるように二重線で抹消し、訂正箇所に日付及び訂正印を押印することとする。この方法によらずに診療記録等を書き改めた場合には、改竄したものとみなされることがあるので、十分留意するものとする。
(院外持ち出し禁止)
第7条
診療記録等は、原則として院外へ持ち出してはならない。ただし、職務遂行上やむを得ず持ち出す場合には、院長の許可を得ることとし、返却後にも確認を得なくてはならない。
(廃棄)
第8条
法定保存年限又は、診療所所定の保存年限を経過した診療記録等を廃棄処分にする場合には、裁断又は溶解処理を確実に実施するものとする。

第5章 診療記録等の取扱いと保管(電磁的に保存されている診療記録等)
(コンピューター情報のセキュリィティ確保)
第9条
診療記録等をコンピューターを用いて保存している部署では、コンピューターの利用実態等に応じて、情報へのアクセス制限等を適宜実施するものとする。また、通信回線等を経由しての情報流出、外部からの不正侵入等の被害を未然に防ぐよう、厳重な措置を講じるものとする。
(データーバックアップの取扱い)
第10 条
コンピューターに格納された診療記録等は、機械的な故障等により情報が滅失や見読不能となることのないよう、各部署において適宜バックアップの措置を講じるものとする。
(データーのコピー利用の禁止)
第11 条
コンピューター内の診療記録等の全部又は一部を、院外(医学部・東病院を除く)での利用のために、他のコンピューター又は記録媒体に複写することは、原則として禁止する。
ただし、職務遂行上止むを得ない場合には、院長の許可、管理のもとに行うことができるものとする。
(データーのプリントアウト)
第12 条
コンピューター等に電磁的に保存された個人情報をプリントアウトした場合には、紙媒体の診療記録と同等に厳重な取扱いをしなくてはならない。
(情報機器の紛失・盗難)
第13 条
個人情報の入っている情報機器が紛失及び盗難の被害にあったことが発覚した場合には、漏洩時における連絡体制に準じて報告を行う。
(紙媒体記録に関する規定の準用)
第14 条
電磁的な保存がなされている診療記録等の取扱いについては、前第4条、前第8条の規定の趣旨も準用する。

第6章 診療及び診療報酬請求事務以外での診療記録等の利用
(目的外利用の禁止)
第15 条
個人情報保護法の定める利用目的の制限の例外に該当する場合を除き、あらかじめ細胞提供者等本人の同意を得ないで前第3 条で特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて、細胞提供者等の個人情報を取扱ってはならない。
(匿名化による利用)
第16 条
細胞提供者等の診療記録等に含まれる情報を、診療及び診療報酬請求事務以外の場面で利用する場合には、その利用目的を達しうる範囲内で、可能な限り匿名化しなければならない。

前項に基づき個人情報の匿名化を行う場合には、連結可能匿名化によるものとする。

第7章 個人情報の第三者への提供
(細胞提供者等本人の同意に基づく第三者提供)
第17 条
細胞提供者等の個人情報を第三者に提供する場合には、前第3 条に基づいてあらかじめ公表している場合を除き、原則として本人の同意を得なくてはならない。個人情報保護法に基づく第三者であっても、第三者提供をするか否かを病院が任意に判断し得る場合には、提供に際して原則として本人の同意を得るものとする。
(細胞提供者等本人の同意を必要としない第三者提供)
第18 条
前17 条の規定に係らず以下の場合には、個人情報保護法第23 条の規定により、本人の同意を得ること
なく第三者へ提供することができる。
(1)法令上の届け出義務、報告義務等に基づく場合。
(2)人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を
得ることが困難であるとき。
(3)公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合で
あって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
(4)国の機関若しくは、地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を
遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意をうることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

第8章 個人情報の本人への開示、訂正等
(開示)
第19 条
本人から、当該本人が識別される保有個人データについて、書面による開示を求められた場合、当該保有個人データを開示する。開示請求があってから、7 日以内に開示する。
2 開示することにより、以下のいずれかに該当すると判断された場合は、その全部または一部を開示しな
いことができる。
  一.本人または第3 者の生命、身体、財産その他の権利利害を害する恐れがある場合。
 二.当院の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼす恐れがある場合。
  三.開示すること他の法令に違反することになる場合。
3 開示しない旨の決定をしたときは、書面にて本人に対し、その旨を通知する。
4 当院の保有個人データの開示等を請求しうるものは、次に掲げるものとする。
一.本人
二.未成年者または成年被後見人の法定代理人
三.開示等の求めをすることにつき本人が委任した代理人
なお、本人の確認は本人を特定できる公的機関の身分証明書の写しを持って行う。代理人の確認は、法定代理人の場合はその代理人たる資格を証明する書類及び代理人自身の本人確認書類の写しを持って確認する。また、本人が委任した代理人の場合は、本人の委任状、委任状を本人が作成したと確認できる書類、代理人自身の本人確認書類のコピーを持って確認する。

【以下は、添付してある個人情報取扱いの方法を参照】
No
個人が特定されないような、ID番号で管理を行う。 Management will be conducted using an ID number that does not personally identify the individual.
代表管理者は、再生医療等の提供に関与する職員に対して、臨床研究を開始する前に、院内勉強会(患者取り違え防止等)による教育・研修を実施する。再生医療等の提供に関与する職員は、日本再生医療学会等の教育、研修に積極的に参加するように努める
医療法人香華会 Re:Born Clinic 本院には苦情・問合せ窓口を設置し、苦情及び問合せが発生した場合の初期対応及び代表管理者への報告を行う。
再生医療事務局
電話番号:092-707-6310
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 4.再生医療等を受ける者の同意書(マスキング有).pdf